クラウドを「知ろう」「使おう」
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利用中のクラウドサービスが閉鎖されるリスクへの対処

よくあるお悩み データのサルベージ クラウドのリスク クラウドサービス クラウド移行

目次

  1. クラウドサービスが閉鎖されると何が起きるか
  2. 閉鎖されるリスクへの備え
  3. クラウド利用のコストメリットは、リスクヘッジ費用も込みで考える
  4. サービス閉鎖のリスクは「ある」ことを前提に

社内でクラウドの話をすると、必ずといっていいほど話題にのぼるのが「クラウドサービス閉鎖のリスク」です。クラウドには、良くいえば最先端で時代のニーズに敏感、悪くいえば過去の資産を顧みないという印象があるからでしょうか。

 

特に古い世代のエンジニアがこういった話題を口にするようです。なかには、閉鎖リスクに悩んでいる現場担当者も多いことでしょう。

 

今回は、どのような対策を考えれば良いかをご紹介します。

 

 

クラウドサービスが閉鎖されると何が起きるか

クラウドサービスが閉鎖された場合に起こり得ることと、必要になってくる対処法を時系列で見ていきましょう。

 

 

自社サービスが停止

クラウドサービスが閉鎖されると、当然のことながら、まずはクラウドを利用して提供しているサービスが停止します。クラウド閉鎖と同時にサービスも終了するのなら良いのですが、そういったケースは稀でしょう。別のクラウドまたはオンプレミスを利用しサービスは継続していかなければならない場合が大半のはずです。そこで重要になるのが、「データのサルベージ」です。

 

 

データのサルベージ

サービス継続のために重要になるのが、これまで蓄積してきたデータを、クラウド閉鎖前にサルベージ(救い出す)することができるかどうかです。サービス継続のためには、蓄積されたこれまでのデータは必須なので、サルベージできなければサービスの継続はできません。

 

 

他のクラウドへの移行

データのサルベージができたら、サービス継続のために次のクラウドへと移行します。なかには、クラウドに懲りてオンプレミスを検討する場合もあるかもしれませんが、通常は別のクラウドへの移行を検討することになるでしょう。クラウドが閉鎖される場合は、事前に何らかの通知と猶予期間があるはずです。この間に、どのクラウドサービスに乗り換えるのがもっとも合理的であるか、クラウド利用開始の時から検討してシミュレーションしておくと安心です。

 

 

閉鎖されるリスクへの備え

では、利用しているクラウドが閉鎖される可能性に備え、事前にできることとは何でしょうか?いくつかあるので、重要なものからご紹介します。

 

 

契約による縛り

必ず行っておきたいのが、クラウドベンダーとの契約時の「サービス閉鎖に関する取り決め」です。要は、万が一サービス閉鎖になっても、こちらが不利にならないように、契約で縛っておくということです。

 

たとえば、サービスを停止する場合はその1年前に必ず告知すること、データ排出に関する全面協力、できれば費用負担の取り決め、違約金などです。最悪の事態になっても損害賠償訴訟で確実に勝訴できるよう準備しておくことが重要です。

 

 

データサルベージの計画書

前章でも触れた「データのサルベージ」は、いざサービス閉鎖が告知されてから準備したのでは、最悪の場合、準備不足でデータサルベージができないリスクがあります。

 

サービスの利用開始のタイミングで、閉鎖時にいかにしてデータを排出するのかという具体的な手順を計画し、社内の承認とクラウドベンダーの承認を取り付けておくと、その時になって慌てずに済みますし、なにより安心です。

 

 

代替クラウドサービスの選定

これも、クラウドサービス利用開始時にやっておきたいことですが、万が一サービスが閉鎖されたときに、同等のサービスを提供できる代替クラウドサービスを選定しておきましょう。できれば代替クラウドサービスのベンダーにも話を通しておき、移行計画書まで作成しておけば完璧です。

 

 

クラウド利用のコストメリットは、リスクヘッジ費用も込みで考える

見えないコスト「リスクヘッジ費用」

先ほどまでにご紹介した、「サービス閉鎖への備え」は、いざ事が起きなければ何の効果も発揮しない費用です。しかし、保険としてこれを策定しておくことは、長期にわたりクラウドサービスを利用する上で安心を買うことになり、とても重要な費用だといえます。こうしたリスクに対応するための費用はほかにも、定期的なバックアップや非常時の訓練、運用代替要員の育成、クラウドベンダーとの定期的な情報交換といったものも考えられます。こうした費用も、クラウド利用のコストに含め、コストメリットを考えるようにしましょう。

 

 

サービス閉鎖のリスクは「ある」ことを前提に

クラウドサービスは、批判を承知で乱暴に例えるならば「昔のASP」です。需要がなくなったり、ベンダーの業績不振で閉鎖されるリスクは、常に伴います。

 

クラウドを利用する場合は、サービス閉鎖のリスクが「ある」ことを前提として考え、事前に対策を検討しておき、安心して利用できる状態を保ちましょう。