クラウドを「知ろう」「使おう」
クラウドを「知ろう」「使おう」

目次

  1. 用語の説明
  2. スケールアップ/ダウンについて
  3. スケールアウト用サーバの作成方法について
  4. 終わりに

皆様、こんにちは。PSソリューションズのKMです。

 

クラウドというと、オンプレミスに比べてサーバの追加削除やサーバリソース変更が容易で、システムの負荷量に対して動的にリソースを変更できるのも大きな魅力の一つです。

今回は、Oracle Cloud Infrastructure Classic(OCI-C)でのスケールアップやスケールダウン、スケールアウトやスケールインの方法についてご紹介します。

 

 

用語の説明

スケールアップ/ダウン、スケールアウト/インは、共にシステムの処理性能を適正な状態に変更するための手法となります。

すでにご存知の方も多いとは思いますが、先に基本的な用語について簡単にご説明します。

 

  • スケールアップ/ダウン

スケールアップは、ハードディスク増設やCPUの増設、上位機種への変更などを行うことで、サーバのスペックを上げ、サーバの処理性能を高める方法です。

スケールダウンはその逆で、サーバの処理性能が過剰な場合にCPUやメモリ、ハードディスクなどのリソースを適正なスペックまで下げることで、コストダウンを図る方法です。

 

  • スケールアウト/イン

スケールアウトは、スケールアップと同様に処理性能を向上させる方法の一つです。スケールアップが既存のサーバのスペックを向上させることで処理性能を高めていたのに対して、スケールアウトの場合はサーバ台数を追加することで、全体としての処理性能を上げる方法となります。

スケールインはスケールアウトの反対で、処理性能がサービス提供に対して過剰な場合に、サーバ台数を削減することでコストダウンを図る方法です。

 

 

スケールアップ/ダウンについて

まずは、OCI-C上のインスタンスのシェイプを変更してスケールアップ/ダウンする手順についてご紹介します。

今回は、以前にオーケストレーションの記事でご紹介したときと同様の手順でインスタンスを作成しました。

 

 

上記インスタンスは現在oc3[OCPU1:メモリ7.5GB]で動作しています。

これからこのインスタンスのCPU、メモリ設定を変更していきましょう。

 

 

1. オーケストレーションの一時停止

リソースを変更する場合、一度インスタンスを削除する必要があります。

オーケストレーションを一時停止するとインスタンスは削除されますが、永続オブジェクトであるストレージは削除しないので、データは保持されています。一時停止は対象オーケストレーションの右側の項目から「一時停止」を選択することで実行されます。

なお、オーケストレーションに定義されている非永続オブジェクトは全て削除されます。インスタンス以外にも複数の非永続オブジェクトを定義している場合は一緒に削除されますのでご注意ください。

 

 

2. オーケストレーションの変更

次に、オーケストレーションに設定されているパラメータを変更します。

下記のようにオーケストレーションのステータスが「一時停止」になっていることを確認しましょう。その後、対象オーケストレーションの右側の項目から「更新」を選択し、更新画面に遷移します。

 

 

更新画面でインスタンスのステータスを確認すると、インスタンスは非アクティブのステータスになっています。この状態になっていれば設定変更が可能です。

 

 

右側の項目から「更新」を選択し、インスタンス設定画面に遷移します。

インスタンス設定画面では、インスタンスが「非アクティブ」の状態であれば、各種設定を変更することができます。今回、シェイプはoc5[OCPU4:メモリ30GB]を選択します。シェイプを変更後、「更新」を押して設定変更完了です。

 

 

 

3. オーケストレーションの起動

設定変更が完了したので、最後にインスタンスを起動しましょう。

起動方法は一時停止のときと同様に、対象のオーケストレーションの右側の項目から「起動」を選択します。

オーケストレーションを起動状態にすることで、インスタンスを含む非永続オブジェクトが作成されます。

オーケストレーションが準備完了となった段階でインスタンスを確認すると、メモリサイズ、CPU数が変更されていることが確認できます。以上でインスタンスのスケールアップは完了です。

 

 

 

スケールアウト用サーバの作成方法について

次はスケールアウトの方法です。

スケールアウトを実装する場合は、追加用のサーバを用意する他に、システムとして追加サーバを認識して組み込めるようにロードバランサなどの仕組みが必要となります。

ただ、その仕組みはシステムによって異なるため、今回はスケールアウト用に既存サーバの複製を作成する手順をご紹介します。

※スケールインに関しては、作成したサーバを停止することで制御します。

 

サーバの複製方法ですが、既存のサーバで使用しているストレージのバックアップを取得し、そのバックアップを使用して新規インスタンスを作成するのが大まかな流れとなります。

 

 

1. 複製元サーバのストレージ・スナップショットを取得

初めに、複製元のインスタンスでアタッチしているストレージに対して、スナップショットによるバックアップを取得しましょう。

ストレージの画面に移動し、インスタンスがアタッチしているストレージを確認します。

対象のストレージの右側の項目から「スナップショットの作成」を選択することでポップアップが表示されます。

 

 

下記のようなポップアップが表示されたら、取得するスナップショットの名前や、必要に応じてその他の項目を入力して「作成」を押します。

なお、コロケートにチェックを入れると、より早くスナップショットが取得できますが、他のサイトで使用することができなくなります。複製サーバを他サイトで作成する場合はチェックを入れないでください。

 

 

 

2. ストレージ・スナップショットからストレージをリストア

次に、先ほど取得したスナップショットをリストアして複製インスタンスで使用するストレージを作成します。

スナップショットの確認方法ですが、ストレージの画面にて下記赤枠の箇所にプルダウンが存在するので、ここからストレージ・スナップショットの画面に遷移できます。

 

 

ストレージ・スナップショットの画面に遷移すると、取得されているスナップショットの一覧が表示されます。

左側のアイコンにカーソルを合わせることで、対象のスナップショットの取得が完了しているかどうかの確認が可能です。

 

 

取得が完了していることが確認できたら、このスナップショットからストレージを作成します。右側の項目から「ボリュームのリストア」を選択するとリストアに関するポップアップが表示されます。

必須項目を入力して「リストア」を押すと、スナップショット・バックアップからストレージが作成されます。

 

 

作成が完了すると、ストレージ・ボリュームの画面でスナップショットから復元されたストレージが確認できます。スナップショットから復旧しているため、リストア元としてスナップショット名が表示されています。

 

 

 

3. オーケストレーションで複製インスタンスの設定を作成・起動

2で作成したストレージを使用して複製インスタンスの設定を作成しましょう。

今回は複製元インスタンスが設定されているオーケストレーションに追記します。

 

※複数インスタンスを一つのオーケストレーションにまとめることで、定義を一元管理できるという利点はありますが、定義変更が必要となった場合には、全体を停止する必要があります。

今回のようにインスタンスを追加したり、特定のインスタンスの定義設定を変更したりする際に、システムとしてメンテナンス時間を設けることができない場合は、インスタンス単位でオーケストレーションを分けて定義する方が柔軟に対応できます。

 

 

まず、オーケストレーションの画面で対象のオーケストレーションを「一時停止」に変更します。理由は、この後インスタンスを追加した際に、オーケストレーションが起動中の状態だと追加したインスタンスが即座に起動状態となり、設定変更ができないためです。

 

 

追加したインスタンスの更新画面に移動し、インスタンスの設定を行います。

この時に、先ほど作成したストレージをアタッチするために、「ストレージ・ボリュームのアタッチ」を押下します。

すると、下記のようなポップアップが表示されるので、先ほど作成したストレージを選択します。

選択後、「アタッチ」をクリックすると、対象インスタンスにストレージ・ボリュームがアタッチされます。

 

 

なお、上記の方法でブートボリュームをアタッチした場合、アタッチしたボリュームが自動的にインスタンス起動時に使用されるブートボリュームとなります。最後に、新しくインスタンスを作成するときと同様にネットワーク・インターフェースなどを設定し、設定完了です。

設定完了後にオーケストレーションを起動すると、元のインスタンスと複製されたインスタンスの2つが起動されることが確認できました。以上でインスタンスの複製は完了となります。

 

 

 

終わりに

今回は、Oracle Cloud Infrastructure Classic(OCI-C)でのスケールアップ/ダウン、スケールアウト/インの方法についてご紹介しました。いずれの方法も、直感的な操作で簡単に変更できるものとなっているかと思います。

 

ちなみに、ストレージ・スナップショットから複製インスタンスを作成する場合、スナップショットから複製したストレージはオーケストレーションの管理に含めることはできず、ストレージ単体で別途管理する必要があるのでご注意ください。

こちらに関しては、「プライベート・イメージ」を使用することで回避できるケースもあります。プライベート・イメージについては、また別の回でご紹介します。

 

今回はここまでとなります、ありがとうございました。